東欧3カ国を巡る③ 顔面にツバを食らったおはなし
▮いざ、ビエリチカ岩塩鉱へ
アウシュビッツ見学を終えた翌日。
東欧旅2カ国目のスロバキアの第二の都市コシツェ行きの
夜行バスの出発時間まで何をしようか考えていた。
持っていった地球の歩き方のポーランド編でアウシュビッツの次に気になったのが
世界遺産にもなっている「ビエリチカ岩塩坑」であった。
僕は教会とか美術館系にはあまり興味がなかったので、余計目を引いた。
クラクフの中心地から10kmしか離れていない岩塩坑ためかなり気軽に行ける、
と思いローカルバスに乗ったが結構難しかった。
いろんな人のブログを見て、市内からバスで岩塩坑までの行き方を知らべた。
最終的にバスで行くなら304番のバスに乗れば岩塩坑に着くとわかり304番のバスに乗った。
参考にしたブログには岩塩坑までたくさんの観光客が乗っているから、
降車場所もすぐわかると書いてあったが、そのときバスはスッカスカでどう見ても観光客らしき人は片手で数えるれるくらいでその人たちが岩塩坑まで行くのかどうかも怪しい。
不安に思いながらバスチケットを持って座っていたが、それまで乗っていた観光客らしき人たちが皆「え、ここ?!」と思うようなバス停で降りようとしていた。
「もうついたのか?」
「あたりに何もないぞ」
「降りるべきか、残るべきか」
と一人で考えていた。(聞けばいいものを。。。)
結果、降りた。
降りて、気づく。
ここではないと。
バスチケットをただただ無駄にしただけであった。
そして、次のバスを待った。
次のバスに乗った。
やっぱり観光客らしき人はいなかった。
ただ一人地元の人じゃなさそうな欧米人が一人乗っていた。
車内でチケットを購入しようとすると、
車内の券売機が壊れており購入できない。
このままだと無賃乗車していると疑われるかも。。。とビビッていると
その欧米人が話しかけてきた。
?「壊れとるから払わんでええやろ。」
僕「やっぱり?」
ポーランドのバスはバス停の券売機かバス内の券売機でチケットを購入し
その後チケットを使いますというしるしを専用の機械で付ける。
定期的に「コントローラー」と呼ばれるチケットをちゃんと購入して乗車しているかチェックする係員がバスに乗ってくる。
そこでもししるしを付けたチケットを持っていないともれなく罰金が科されてしまう。
その男もチケットを購入していないとのことだったので、
コントローラーに見つかったときは一緒に怒られようと思い、結局購入せずに座った。
その欧米人の男はオーストラリア人の旅人だった。
聞けばオーストラリアで芸能活動をしているらしく、
今は時間がたくさんあるからヨーロッパを旅しているという。
アレクサンダー(以後アレックス)というやつだ。
格好や風貌は僕の中の「ザ・オーストラリア人」という感じ。
ぼさぼさの髪の毛と無精ひげがいい感じに決まっていて、
どこの民族衣装だとツッ込みたくなるような模様の服を4枚くらい重ね着し、
両腕には何個ものブレスレットが付けられていた。
まあ、苦手なタイプだった。(わら)
というかオーストラリア人が苦手だった。
これまで出会ったオーストラリア人が強すぎる自我と無骨さワイルドさを持っていたので、かなり苦手意識は持っていた。
アレックスもそんな感じかなと思ったら案の定そんな感じだった。
今回の岩塩坑旅ではこのオーストラリア人の男に振り回されることになる。
岩塩坑だがほろ苦い旅の経験のお話である。
▮アレックスとの出会い
ただ、決して悪いやつではなかった。
たまたま、アレックスも岩塩坑を目指しているということだったのでともに行動することにした。
最寄のバス停から岩塩坑までは10分くらい歩いたところにある。
行ってみると、ここもアウシュビッツみたく、個人での見学は不可で
ツアーでの見学が必須になっていた。
チケットを買って、僕たちの順番が回ってくるまで出店でソーセージとビールを買った。
見学ツアーの順番が回ってきてもビールが残っていたため、
僕たちはビール瓶片手に岩塩坑内を見学することにした。
そのときは思わなかったが今思えば
世界遺産で非常に失礼な行いである。
岩塩坑入り口を通過するとまず出迎えてくれるのは800段の階段である。
ほろよい2人には
非常にしんどいミッションだった。
階段が地下深くまで続く。
ここでもポイントポイントでガイドによる英語の説明を受ける。
そんななか、アレックスは思ったことをなりふり構わず僕に言ってくる。
アレ「このガイドおもしろくないな」
アレ「俺たちの前にいる団体のガイドのほうがおもしろそうだ」
そう言って、アレックスとは別行動で見学することになった。
▮問題発生
階段を降りると、坑道が続いている。
マインクラフトのゲームの世界みたいだった。
途中、僕も気づいたら最初いた見学団体と1つ前の見学団体を行き来しながらマイペースに見学していた。
道中何回か休憩スポットがある。
アレックスとはいまだに別行動だった。
問題はこの後だった。
?「ブッッッッttttttttttttttttttt」
僕「!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
なんと突然見知らぬ男に顔面につばを吐きかけられた。
その男も観光客で最初に僕がいた見学団体の客の一人だった。
頭に血が上っておりカンカンに怒っていた。
というよりブチぎれていた。
スペインからの観光客らしく、かなりのスペイン語なまりの英語で僕に叫んできた。
男「さっきてめぇの友達にこうやって俺の顔面にツバを吐きかけられたんだよ!!!」
男「どうなってんだ、てめぇの友達は!!!!!!!!!!!!!!!!!」
僕「アレックス。。。。」
どうやらその男は僕とアレックスが最初に一緒に坑内を回っているのを見ていたらしく友達だと思っていた。
思いっきり弁明した。
僕「そいつは、友達だけど、今日バスでたまたま出会ったやつで一緒に回っているだけなんだ。俺は関係ないんだ。(てへ)だけどごめんね。ツバを吐くなんてありえないね。もし、会ったら厳しく言うから許して。」
男「ゆるさん。」
次ぎあったらぶち○してやると言わんばかりの表情でそいつはアレックスを探しに行った。
こうなったらもう岩塩坑どころではない。
僕もアレックスを探した。
海外での留学中にマジでキレられたのはこれで2回目だった。
学生が100人近く生活する寮で、洗濯機が3つしかなかった。
基本的には、自分の選択が終わる時間になったらすぐ洗濯機から洗濯物をとり、
次の利用者が使えるようにするのだ普通なのだが、
前の人が終わってもなかなか回収しに来ない。
そこで、前の人の洗濯物を洗濯機から出していたら
その洗濯物の所有者の女がやってきた。
女「ワレなに勝手にわたしのもん持っとんねんっっっ」
そこで人生初めて本気の”FUCK YOU”を言われた。
僕氏「いや、お前がとりに来るのがおせぇんだろうが!!」
とは言うものの、女は強い。
その女の洗濯物のパンティーやブラジャーなどを両手で抱え、
隣のカゴにポイッと投げているところを見られれば
もう男に勝機はない。
というエピソードを思い出した。
話が脱線したので岩塩坑に戻る。
最後の休憩所で、ガイドとスペイン人の観光客とアレックスがもめているのを見つけた。
ガイドがうまくなだめたようで二人はなんとか和解した様子だった。
僕を見つけたスペイン人男は僕の下へ歩み寄ってきて
男「てめぇの友達はイカれてやがる」
と、ジェスチャーを交えて僕に吐き捨ててきた。
そしてアレックスのところに行き事情を聞いた。
僕「何で顔面にツバなんか吐きかけるねん?!」
アレ
「ちょっと酔っ払って、気持ちよくなって挨拶代わりのジョークだったんだけど、あの男はぜんッぜんジョークが通じないクソ野郎だった。」
僕「クソ野郎はテメェである」と思った。(笑)
こんな感じで、オーストラリア人の問題児に振り回された1日だった。
帰りは一緒にクラクフ市内まで戻った。
バスが複雑だったので電車を使って帰った。
※バスより電車のほうがわかりやすいです。
ということでこれにて東欧ポーランド旅はおしまいである。
その夜は夜行バスに乗り、いよいよ翌日はスロバキアへ!!!!!
次回からは東欧旅2カ国目、スロバキア編に突入!